ドッグフードの保存料は安全?危険な種類と無添加の選び方を解説

ドッグフードの保存料は安全?危険な種類と無添加の選び方を解説

愛犬に与えるドッグフードを選ぶ際、「保存料」や「無添加」といった言葉が気になる飼い主は多いでしょう。
保存料には、フードの品質を保つために必要な役割がある一方で、中には犬の健康に悪影響を及ぼす可能性が指摘される種類も存在します。
この記事では、ドッグフードに含まれる保存料の種類と安全性、危険性が懸念される合成保存料、そして本当に安全な無添加ドッグフードの選び方について詳しく解説します。

そもそもドッグフードに保存料はなぜ必要?品質保持のための役割とは

ドッグフードに保存料が使われる主な理由は、製品の品質を長期間維持するためです。
特にドライフードには油脂が多く含まれており、空気に触れると酸化してしまいます。
フードが酸化すると、風味や栄養価が損なわれるだけでなく、過酸化脂質という有害物質が発生し、下痢や嘔吐などの体調不良を引き起こす原因にもなります。

保存料(特に酸化防止剤)は、この酸化を防ぎ、カビや細菌の繁殖を抑制することで、フードの安全性と品質を保ちます。
これにより、製造から消費者の手元に届くまでの長期保存が可能になります。

【要注意】愛犬のために避けたい危険な合成保存料・酸化防止剤リスト

ドッグフードの品質保持に役立つ保存料ですが、中には化学的に合成された成分で、犬の健康へのリスクが懸念されるものもあります。
ペットフード安全法により使用基準は定められているものの、長期的な摂取による影響を考慮し、避けた方が賢明とされる代表的な合成保存料・酸化防止剤について解説します。

発がん性が指摘される「BHA(ブチルヒドロキシアニソール)」

BHA(ブチルヒドロキシアニソール)は、石油を原料として作られる合成酸化防止剤です。
非常に強い酸化防止効果を持つため、ドッグフードだけでなく、人間の食品にも使用されています。
しかし、動物実験において発がん性が報告されており、国際がん研究機関(IARC)では「人に対して発がん性がある可能性がある」と分類されています。

犬に対する直接的な発がん性は明確に証明されていませんが、長期的な摂取によるリスクを避けるため、多くの専門家が注意を促している成分の一つです。

アレルギーや涙やけの原因にもなりうる「BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)」

BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)は、BHAと同様に合成酸化防止剤の一つです。BHAと併用されることが多く、強力な酸化防止効果が期待されます。一部ではアレルギー反応や皮膚炎、涙やけ、肝臓、腎臓、甲状腺への影響が懸念される場合があります。また、特定の条件下での動物実験において発がん性の可能性が指摘されたことから、BHAと並んで犬のフードにおいて避けることを検討する人もいる合成添加物です。比較的安価なドッグフードに使用される傾向があります。犬の涙やけ対策ドッグフードの選び方については「犬の涙やけ対策ドッグフードの選び方」で詳しく紹介しています。

嘔吐や下痢を引き起こす可能性のある「ソルビン酸カリウム」

ソルビン酸カリウムは、カビや酵母、細菌の発生を抑える効果がある合成保存料です。
主にウェットフードや半生タイプのフード、おやつなどに使用されます。
ペットフード安全法で使用基準が定められていますが、犬が過剰に摂取すると、嘔吐や下痢などの消化器症状を引き起こす可能性があります。

また、他の食品添加物である亜硝酸ナトリウムと反応すると、発がん性物質が生成される危険性も指摘されているため、注意が必要な成分です。

毒性が強く使用基準が定められている「亜硝酸ナトリウム」

亜硝酸ナトリウムは、主にウェットフードやジャーキーなどの色を鮮やかに保つための発色剤として使用されますが、ボツリヌス菌の増殖を抑える保存料としての役割も持ちます。
しかし、この成分は毒性が非常に強く、特に肉に含まれるアミンという物質と胃の中で結合すると、ニトロソアミンという強力な発がん性物質に変化する危険性が知られています。
そのため、ペットフード安全法で使用できる量が厳しく制限されている成分です。

現在では使用が規制されている「エトキシキン」

エトキシキンは、かつて合成酸化防止剤として使用されていましたが、その使用については懸念が示されています。日本では、人の食品添加物としては認められていませんが、動物の飼料添加物としては指定されており、定められた上限値内であればペットフードにも使用可能です。

ペットフード安全法により、犬猫用ペットフードへのエトキシキン含有量には基準値が設けられています。 具体的には、犬用ペットフードではエトキシキン単体で75μg/g以下、エトキシキン・BHA・BHTの合計量では150μg/g以下と定められています。

近年では、エトキシキンを使用しているドライフードはほとんど見られなくなっています。

危険なのは合成添加物だけ!天然由来で安全性の高い保存料・酸化防止剤

これまで解説してきたように、一部の合成添加物には注意が必要ですが、すべての保存料が危険というわけではありません。
植物やハーブなど自然の恵みから抽出された成分を利用した、安全性の高い天然由来の保存料(酸化防止剤)も存在します。

これらは効果が穏やかである一方、犬の体への負担が少ないのが特徴です。
プレミアムドッグフードの多くは、これらの天然由来成分を積極的に採用しています。

ビタミンE(ミックストコフェロール)

ビタミンEは、大豆や菜種、トウモロコシなどの植物油から抽出される天然の栄養素であり、強力な抗酸化作用を持ちます。
ドッグフードの原材料表示では「ミックストコフェロール」と表記されるのが一般的です。

これは複数の種類のトコフェロール(ビタミンE)を混ぜ合わせたもので、より高い酸化防止効果を発揮します。
栄養素としても有益でありながら、酸化防止剤として機能するため、安全性を重視するドッグフードで最も広く利用されている成分です。

ローズマリー抽出物

ローズマリー抽出物は、ハーブの一種であるローズマリーの葉や花から抽出される成分で、天然の酸化防止剤として利用されます。
主成分であるカルノシン酸やロズマリン酸が強い抗酸化作用を持ち、フードの油脂の酸化を防ぎます。

「ローズマリーエキス」と表記されることもあります。
安全性が非常に高いだけでなく、フードの風味を向上させる効果も期待できるため、多くの自然派ドッグフードで採用されています。

緑茶抽出物(カテキン)

緑茶抽出物は、その名の通り緑茶の茶葉から抽出された成分で、主成分であるカテキンが酸化防止剤として機能します。
カテキンは強い抗酸化力を持つことで知られており、フードの品質を保つのに役立ちます。

安全性も高く、酸化防止効果に加えて、カテキンが持つ消臭効果によって愛犬の口臭や便臭を軽減する効果も期待できるため、ドッグフードやおやつに利用されることがあります。

「無添加」の表示に騙されない!本当に安全なドッグフードを見分ける3つのポイント

愛犬の健康を考えてドッグフードを選ぶ際、「無添加」という表示は非常に魅力的に映ります。
しかし、この「無添加」には明確な法的定義がなく、メーカーによって意味合いが異なる場合があるため注意が必要です。
例えば、着色料が不使用なだけで「無添加」と表示されることもあります。

パッケージの言葉だけに頼らず、本当に安全なフードを見分けるための3つのポイントを紹介します。
国産無添加ドッグフードについては「国産無添加ドッグフードおすすめ 失敗しない選び方」で詳しく紹介しています。

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ポイント1:原材料表示を隅々までチェックし、具体的な成分名を確認する

最も重要なのは、パッケージ表面のキャッチコピーではなく、裏面にある「原材料名」の欄を自分の目で確認することです。
ここに、そのフードに使われているすべての成分が記載されています。
BHA、BHT、ソルビン酸カリウム、亜硝酸ナトリウムといった避けたい合成添加物の名前がないかを確認しましょう。

同時に、ミックストコフェロール(ビタミンE)やローズマリー抽出物といった、安全な天然由来の酸化防止剤が使われているかもチェックする重要なポイントです。

ポイント2:「天然由来の酸化防止剤」が使われているフードを選ぶ

保存料が一切使われていないフードは、逆に酸化や劣化のリスクが高まります。
そのため、「合成保存料無添加」であることに加え、品質を安全に保つための工夫がされているかどうかが重要です。

具体的には、ビタミンE(ミックストコフェロール)やローズマリー抽出物、緑茶抽出物といった天然由来の酸化防止剤が適切に使用されているフードを選びましょう。
これにより、愛犬の健康を害するリスクを避けつつ、フードの品質を維持することが可能になります。

ポイント3:「無添加」の落とし穴であるキャリーオーバーを理解する

「キャリーオーバー」とは、フードの原材料(例えば肉や魚粉)の加工段階で使われた添加物が、最終製品であるドッグフードに微量に残存している状態を指します。
メーカーがドッグフードを製造する際に直接添加したものではないため、原則として表示義務がありません。
そのため、原材料表示に記載がなくても、合成添加物が全く含まれていないとは言い切れないのです。

キャリーオーバーを完全に避けることは困難ですが、原材料の品質管理にこだわり、情報を公開している信頼性の高いメーカーを選ぶことが対策の一つとなります。

保存料無添加ドッグフードを選ぶ前に知っておきたいデメリットと対策

保存料無添加のドッグフードは、愛犬の健康を考える上で魅力的な選択肢ですが、メリットばかりではありません。
合成保存料を使用したフードに比べてデリケートなため、その特性を理解し、適切に管理する必要があります。
無添加フードを選ぶ前に、知っておくべきデメリットとその対策について解説します。

デメリット:合成保存料入りフードより酸化しやすく賞味期限が短い

保存料無添加、あるいは天然由来の保存料を使用したドッグフードは、BHAなどの強力な合成保存料を使用したものに比べて、酸化防止効果が穏やかです。
そのため、賞味期限が比較的短く設定されており、長期保存には向きません。
特に開封後は空気に触れることで酸化が急速に進み、風味や栄養価が劣化しやすくなります。

劣化したフードは犬の健康に悪影響を与える可能性があるため、管理には注意が必要です。

フードの酸化を防ぐための正しい保管方法

保存料無添加ドッグフードの品質を保つためには、正しい保管方法の実践が不可欠です。
まず、フードは直射日光や高温多湿を避け、涼しく乾燥した場所で保管してください。

開封後は、袋の空気をしっかりと抜いて密閉するか、専用のフードストッカーなどの密閉容器に移し替えるのがおすすめです。
大袋で購入すると使い切るまでに時間がかかり酸化が進んでしまうため、1ヶ月程度で消費できるサイズのパッケージを選ぶようにしましょう。

ドッグフードの保存料に関するよくある質問

ドッグフードの保存料について、飼い主が抱きやすい疑問に回答します。

Q1. 人工の保存料と天然由来の保存料は、原材料表示でどう見分ければいいですか?

原材料表示の成分名で区別できます。
「BHA」「BHT」「ソルビン酸カリウム」「亜硝酸ナトリウム」などは人工の合成保存料です。
一方、「ミックストコフェロール(ビタミンE)」「ローズマリー抽出物」「緑茶抽出物」といった記載があれば、天然由来の成分が使われています。

パッケージの「無添加」表示だけでなく、必ず原材料表示を確認して、具体的な成分名をチェックすることが重要です。

Q2. 保存料無添加のドッグフードは、開封後どのくらいで使い切るべきですか?

開封後は酸化が進みやすいため、1ヶ月以内を目安に使い切ることが理想です。
特に天然由来の酸化防止剤を使用したフードは、合成保存料入りのものより品質が変化しやすい傾向にあります。
フードの風味や栄養価を損なわないためにも、愛犬が食べきれる量のパッケージを選び、開封後はなるべく早く消費することを心がけましょう。

Q3. 国産ドッグフードなら保存料は安全だと思って大丈夫でしょうか?

「国産」だからといって、必ずしも安全な保存料だけが使われているとは限りません。
日本のペットフード安全法でも、BHAやBHTといった合成保存料は基準値内での使用が認められています。

そのため、国産フードにもこれらの添加物が含まれている可能性があります。
産地に関わらず、必ず原材料表示を確認し、どのような成分が使われているかを自分の目で確かめることが大切です。

まとめ

ドッグフードの保存料には、フードの酸化を防ぎ品質を保つ重要な役割があります。
中には「BHA」や「BHT」のように、長期的な摂取による健康リスクが懸念される合成保存料も存在します。
愛犬の健康を守るためには、「無添加」という言葉だけに頼るのではなく、飼い主自身が原材料表示をしっかり確認することが重要です。

安全な「ミックストコフェロール(ビタミンE)」や「ローズマリー抽出物」などの天然由来の保存料が使われているかを見極めましょう。
また、保存料無添加のフードは酸化しやすいため、適切な保管方法で品質を管理することも大切です。

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